隣の芝は青い?

 

隣の芝は青い

自分より他人の方が良く見えることを指す言葉ですが、青く見えた経験、誰にでもありますよね(^^)
 
ところで、今年度に入って大企業では相次いで賃上げが発表されていましたが、皆さんの勤務先ではいかがでしたでしょうか?
 
私は一般企業勤務の薬剤師ですが、残念ながら賃上げはありませんでした(T ^ T)
 
下世話な話ですが、他の医療従事者がどれくらい貰っているのか気になるもので。。。
 
つい先日公開されたこちらの資料を少し覗いてみたいと思います。
 
▶︎第24回医療経済実態調査 (医療機関等調査) 報告

https://www.mhlw.go.jp/bunya/iryouhoken/database/zenpan/jittaityousa/dl/24_houkoku_iryoukikan.pdf

 

中央社会保険医療協議会中医協が実施している保険医療機関の経営状況等を調査したもので、診療報酬等の改定の参考資料として用いられています。
 
報告されている数字は令和4年度のものとなりますが、医療機関の収益は全体的としてはプラスになっており、このプラスを一つの理由として、診療報酬等の引き下げが財務省から要求されています。
※令和6年は、医療・介護・障害が重なるトリプル改定の年です。
 
少し話が逸れましたが、保険医療機関の経営状況ということで、医療従事者へ支払われる給与のデータなども含まれています。
 
これを抜粋してまとめたものが、こちらです。

 
やはり当然ですが医師の年収は高いですね。
勤務医でも1,000万を超えています。
 
その次に歯科医師、薬剤師と続きます。
歯科医師は、歯科診療所勤務だと600万円台とそこまで高くないですね。
「収入を増やしたい→開業→歯科診療所が増える」のも納得ですね。
 
一方の薬剤師はというと、施設管理者(管理薬剤師)でも700万円台と勤務医にも及ばない水準です。
※それでも一般企業勤務の私からすると羨ましく感じますが(^_^;)
 
出来ることや責任が違うと言われればそれまでですが、業務内容や待遇面をみると薬学部をわざわざ6年制にする意味はあったのか?と思わざるを得ません。
※増えすぎた薬剤師を抑制する目的もあるのかと勘繰ってしまいますね。
 
 
ところで、医療業界は全産業と比べると賃上げ水準が低いそうで、各団体からも賃上げの要望も出ています。
ですが、『賃上げ=医療機関の収益社会保障』の構図がどうしても見えるわけで、すんなり要望が通るとはどうも思えません。
 
社会保障費は増えることはあっても減ることは当面ないでしょうから、『社会保険料・診療報酬等』が既定路線と思われますし、医療機関としては『人件費・光熱費・収入』など、経営は益々厳しくなることでしょう。
社会保障の費用… - 薬事とか労務とか、たまに■も。。。
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社会保障費用に関する記事です。
https://phsr-89266.hatenablog.com/entry/2023/08/07/234835

 

ぱっと見、隣の芝が青く見えるかも知れませんが、こうやって背景を鑑みると医療業界の賃上げのハードルの高さが透けて見えてくると思います。
 
国民所得に占める税金や社会保障費の割合である国民負担率の令和5年度の見通しは46.8%(うち社会保障負担率は18.7%)です。
 
一国民としては、これ以上の増税社会保険料アップは勘弁願いたいですが、重要な社会インフラである医療機関を上手く維持できるような施策・舵取りを国には期待したいと思う今日この頃です。

 

 

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