医薬品も「選定療養」に?

 

2024年になって早1ヶ月が過ぎましたが、新年度はまだ少し先ですね。


年度が替わるタイミングで実施されるのが診療報酬や薬価等の改定ですが、
2024年度は6年に1度の「トリプル改定ということもありいつもとは少し違った様相を呈しています。
 ※医療・介護・障害、3つの報酬が同じ年度で改定されます。

診療報酬等(いわゆる本体部分)は、医療従事者の賃上げを考慮して+0.88%となりましたが、薬価は-1.00%で医療全体では-0.12%となりました。

 

隣の芝は青い? - 薬事とか労務とか、たまに■も。。。
thumbnail
医療従事者の給与に関する記事です。
https://phsr-89266.hatenablog.com/entry/2023/12/03/213939

 

薬価はいつもどおり4月からの改定ですが、診療報酬等は2カ月後ろ倒しの6月から!となっています。
 ※ということは、4月・5月は6月以降に比べて少し安く医療機関を受診できるかも??

6月からとは少し異例ですね。2か月は準備期間ということでしょうか。


ところで、2024年度の改定の中身で他に気になる点が一つありました。

それは、
2024年10月より長期収載品の窓口負担額が増える
という点です。
 
▶︎長期収載品(その3)(厚生労働省
どういう内容なのかというと、
後発品(ジェネリック医薬品)があるにも関わらず先発品を選択した場合、別途追加費用が発生する
ということです。

具体的には、

「後発品の上市後5年以上経過したもの」または「後発品の置換率が50%以上」となった約700成分

が対象となり

先発品と後発品の薬価差の1/4を選定療養費として患者に費用負担を求める

というものです。

これを図示したものがこちらです。


また窓口での負担額を図示すると次のとおりです。


実際にどれぐらいの負担が増えるのかちょっとイメージしづらいですよね。

どれぐらいの負担額になるのか、計算式で示すとこうなります。

長期収載品に該当するとかなり複雑な計算式になりますね(^_^;)



それでは、もう少し簡単にしてみたいと思います。
一般的に後発品の薬価は先発品の薬価の5割ですので、これを用いて先ほどの計算式を整理したものがこちらです。


後発品の薬価は先発品の薬価の5割の条件では、先発品(長期収載品)を選択すると負担額は4割となりました。
これまでの3割から1割増えるということになります。

定期的に服薬している方にとっては、この負担増は少しツラいかもしれませんね。
 
 
後発品を推進し、医療費の削減を更に進めたい意図だと思いますが、昨今の後発品の状況を見るに安易に後発品を選択する状況下ではないように思います。
日医工・上場廃止 - 薬事とか労務とか、たまに■も。。。
thumbnail
国内最大規模のジェネリック医薬品メーカーであった「日医工(4541)」の上場廃止に関する記事です。
https://phsr-89266.hatenablog.com/entry/2023/03/29/225548

 

後発品(ジェネリック医薬品)の品質をしっかり確保できる体制・施策の構築も進めて欲しいものです。

 

 

☆ランキング参加しています☆

にほんブログ村 病気ブログ 薬・薬剤師へ

にほんブログ村 士業ブログ 社会保険労務士(社労士)へ

にほんブログ村 資格ブログへ


にほんブログ村

PVアクセスランキング にほんブログ村