その①に続き『零売薬局』に関する記事です。
『零売薬局』利用してみた① - 薬事とか労務とか、たまに■も。。。
その①で『零売薬局』で医薬品を購入したわけですが、やはり価格が気になるなぁ🤔ということで、病院を受診した場合とどれくらい費用に差が出るのか比較していきたいと思います。
『零売薬局』を利用
まずは、『零売薬局』を利用した場合です。
前回の記事のとおり、フェキソフェナジン10錠を770円(税込)にて購入しました。
※入会金は除く。
したがって、1錠あたりの調達コストとしては、77円となりました。
薬価が1錠あたり23.5円ですから、薬価の約3倍の価格です。
※薬価は税込の価格です。
仕入価格は分からないですが、薬価から考えるとかなりの高値設定に思えます。
『医療機関』を利用
次は病院→調剤薬局の通常ルートで、入手した場合について考えてみたいと思います。
検討対象が抗ヒスタミン薬なので、耳鼻科を受診(健康保険・3割負担)した想定で進めていきます。
▶︎病院(耳鼻科)
※吸入の費用も含めています。点数に関しては、実際に耳鼻科を受診した際のものを参考に算出しています。
▶︎薬局
※錠数に関しては、10錠と約1ヶ月分の30錠で算出しています。
※加算が多くない調剤薬局利用想定です。
※実際には、薬局の体制により点数は異なりますので、ご了承ください。
病院+薬局の合算費用は次のとおりです。
※保険点数は2023年9月時点のものです。
調達コストとしては、
10錠の場合は、1錠あたり175円
30錠の場合は、1錠あたり63円
と、
30錠処方してもらった方がより割安という結果になりました。
コスト比較
フェキソフェナジン1錠あたりのコスト比較です。
医療機関を受診するのが大前提ですが、少し手持ちが足りなくなった場合など、『零売薬局』を利用するのも一つの手と言えなくもなさそうですね。
気になった箇所
これまでみてきた通り、価格・コストについては妥当かなと思える内容でした。
その他、利用する上でいくつか気になった箇所がありましたので、羅列していきます。
「処方箋がなくても買える」という看板。
➡︎病院を受診しなくても医療用医薬品を購入できるという点を訴求している?
添付文書や薬情の添付がない。
➡︎医薬品に関して十分な説明や情報提供がなされていない?
購入を希望した以外の医薬品も交付された。
➡︎入会特典として医療用医薬品をプレゼントしている?
これらに関しては、違法ではないものの、行政通知などで注意喚起がなされており、不適切では?と考えられるものでした。
最近では、『零売薬局』が会員向けLINEにて医療用医薬品の広告を行ったとして、行政指導を検討している旨のニュースもありました。
※医薬品として未承認の効能・効果を謳った点も問題視されたようです。
行政としてはやむを得ない場合の対応として零売を位置付けていますが、零売を営利目的・商売として行うことにより、こういった不適切な事例が増えてきたものと推察されます。
※「売りたい」気持ちが優先されると、こういった事例が出てくるのも至極当然といったところでしょうか(^_^;)
まとめ
『零売薬局』を実際に利用してみてですが、やはり行政が問題視している点は散見されるなぁという印象でした。
営利目的である以上、どうしても広告せざるを得ないのでしょう。
個人的に、零売は、薬剤師の職能・薬局の機能の一つではないかなと思っています。
今後の行方が気になる所ですが、今一度襟元を正して、折角の零売という機能をしっかり保持していただきたいものですね。
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