難問に挑む

君たちはどう生きるか

スタジオジブリの最新作として公開が始まった映画のタイトルですが、なかなか考えさせられるタイトルですよね。
 
どう生きるか、なかなか答えが出せない人生における"難問"なんじゃないかと思います。
 
資格試験にも難問はありますが、難問に遭遇したとき、皆さんはどうされますか?
 
チャレンジしますか? それとも諦めますか?
 
今回は、"難問"へのアプローチ手法のひとつをご紹介したいと思います。
 
 
フェルミ推定という言葉をご存知でしょうか??
なんだか、物理や数学の公式っぽい名前ですよね。
 
私も社労士試験受験当時はこの言葉を知りませんでしたが、少し前に書店で見かけた東大生の本でこの言葉を知りました。
 
簡単に言うと、
答えを知らない事柄に対して、自分の知識や経験を基に答えを推定するということ
です。
 
フェルミ推定でよくあるお題として"全国のコンビニ店舗数は?"がありますが、これを考えてみたいと思います。
 
 

コンビニの店舗数は?

 

まず何を基に考えていくかですが、コンビニは都心部ほど店舗数が多く、地方に行くほど店舗数は少ないですよね。
 
当然のことですが、人口が多いほど、すなわち潜在顧客数が多いほど、店舗数は増えるということになります。
 
したがって、①潜在顧客数に対して何店舗あるのかを推定できれば、②日本の人口から全国のコンビニ店舗数を導き出すことができるはずです。
 
①潜在顧客数に対して何店舗あるのかですが、身近な事柄に置き換えると考えやすいので、最寄駅付近のコンビニ数を基に考えていくことにします。
 
私の最寄駅の徒歩5分圏内にはコンビニが2軒あります。
駅の利用者がメインの顧客であると考えられますので、駅の利用者数がわかれば、目的の数字に辿り着けそうです。
 
それでは、駅の利用者を考えていきたいと思いますが、朝のラッシュ時の状況などから次のような条件を想定しました。

【地方の私鉄・各停のみの停車駅】

・営業時間:18時間

・朝/夕のラッシュ時間:計4時間

・ラッシュ時:600人/時間

・ラッシュ時以外:150人/時間

これを基に計算すると次の通りです。
 
 4時間✖️600人=2,400人
 14時間✖️150人=2,100人
 利用客数2,400人➕2,100人=4,500人
 
2軒のコンビニの潜在顧客数は4,500人であるから、1軒あたりでは、
 4,500人➗2軒=2,250人/店
となります。
 
日本の人口は約1億2千万人なので、
全国のコンビニ店舗数は、
 1億2千万人➗2,250 人/店=53,333店
と算出できました。
 
 

実際の店舗数は?

 
フェルミ推定で全国のコンビニ店舗数を考えてみましたが、実際の店舗数はどうでしょうか?
 
日本フランチャイズチェーン協会のデータによると、2023年6月度で『55,742店』ということです。
 
いかがでしょう?
偶然かもしれませんが、かなり近い数字に辿り着くことができました。
 
 フェルミ推定:53,333店
 実際の店舗数:55,742店
 
コンビニの店舗数といえば、調剤薬局や歯科医院の施設数の比較対象として槍玉に上がることも多いですが、例えば『全国の調剤薬局は5万軒を超えている。正しいか誤りか。』という問題があったとしましょう。
 
調剤薬局や歯科医院は、コンビニより軒数が多いことはよく知られていますので、おおよそのコンビニの店舗数が分かれば正答を導き出すことができます。
 
試験などでも当然初見の問題は出てきますし、答えが分からない問題もあると思いますが、こういった場合にこのフェルミ推定で答えに近づくことができるという訳です。
 
 

まとめ

 
今回は、フェルミ推定についてご紹介していきましたが、いかがでしたでしょうか?
 
最後に、今回出てきた"数字"の大元を簡単に整理しておきたいと思います。
 
【日本の総人口】
 1億2494万7千人
 
▶︎人口推計(2022年(令和4年)10月1日現在)
https://www.stat.go.jp/data/jinsui/2022np/index.html
 
【コンビニの店舗数】
 55,742店
 
 
調剤薬局の施設数】
 61,791 施設
 
▶︎令和3年度衛生行政報告例の概況
https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/eisei_houkoku/21/
 
【歯科医院の施設】
 68,024施設
 
▶︎医療施設動態調査(令和3年1月末概数)
https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/iryosd/m21/is2101.html
 
薬局の数も多いですが、歯科医院の数はもっと多いですね。。
ちなみに私の最寄駅付近には歯科医院は4軒ありました。
コンビニの例と同じ理屈だとかなり的外れな数字(10万軒)になってしまいます。
それぞれにあった条件設定も重要ということですね。
 
"難問"に挑むためには、当然しっかりとした準備(勉強)が必要です。
どうしても解けない問題の最後の糸口ぐらいの感覚でフェルミ推定が頭の片隅に置いていただければ、きっと損はないと思います☝️
 
フェルミ推定にこだわりすぎて、他がおろそかになってはいけませんので、くれぐれもご利用は計画的に( ^ω^ )☆
 
 
最後までお付き合い頂きありがとうございました。
それでは、また次回も宜しくお願い致します。

 

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