【その①】では、社会保険労務士試験の難易度などをご紹介させていただきました。
社会保険労務士試験の思ひ出【その①】 - 薬事とか労務とか、たまに■も。。。
敵を知り己を知れば百戦危うからず
という言葉がありますが、敵(試験)を知ってもなかなか合格できないのが、難関資格にカテゴライズされる所以かと思います。
ですが、敵(試験)を知らねば戦いを挑むこともできません。
ということで、今回は試験制度を中心にお伝えしていきたいと思います。
これから受験する方、受験を検討しておられる方の参考になれば幸いです。
受験資格✏️
まずは、一番大事な受験資格です。
これを満たさなければ、受験すらできませんので、必ず最初に確認してください。
社労士法に受験資格の規定がありますが、簡単にまとめると次の通りです。
この①〜③のいずれかを満たすことで受験資格を得ることができますが、①の学歴で条件を満たされる方が多いかと思います。
中には③の"他の試験の合格者"という変わった受験資格もあります。
特定の資格に合格していれば受験資格を得られるということなのですが、注目したいのが"行政書士試験の合格者"です。
"行政書士試験"は、法律系の入門資格試験とされることもあり、受験資格は不問で学歴や年齢に関わらずどなたでも受験できます。
合格率は10%前後ですが、合格することで社労士試験を受験できるようになります。
ということは、、、
学生でも受験できる‼️
ことになりますよね。
筆者も受験会場で明らかに学生と思われる方を見かけたことがありますが、おそらく行政書士試験に合格した上で、社労士試験に挑戦されたのだと思います。
自己研鑽かまたは就職を考えてのことなのか、いずれにせよその行動と考えにはただただ脱帽するばかりですね😉
出題範囲📖
次は出題範囲を見ていきたいと思いますが、社労士法に規定があります。
これを少し整理しますと、
の10科目となります。
※以下、特に断りがない限り、科目名についてはカッコ内の略称を使用します。
①〜⑧に関しては、社労士としてのメインどころの法律になります。
メインどころということで、教材の内容も充実していますし、比較的勉強はしやすい科目になります。
⑨〜⑩には"一般常識"の文字が見えますが、『な〜んだ一般常識か』と侮るなかれ。
鬼門(奇問)は"労一"か⁉️
試験範囲の次は、科目ごとの簡単な特徴と、4回の受験経験を基に難易度をご紹介していきたいと思います。
なお、難易度に関しては筆者の主観となりますので、あらかじめご了承ください🙇♂️
全般的な事柄として、法律の試験ということになりますが、条文を丸暗記していくようなものではなく、どういった場合(条件や数字)にどうなるのか(法的にOKか?/給付内容は?etc.)を法の規定を踏まえて暗記・理解していくような勉強になります。
※〇〇条にあの規定があるなんてことを覚えても試験では全く役に立ちません。
また、実務的な給与額、保険料や年金額などの計算問題はほとんど出題されません。
①労基(難易度:★★★★☆)
労働時間・休憩・休日など、働くことに関する内容なので、自分事に置き換えて取り組むととっつき易い印象です。
有給休暇の付与日数や残業代の計算方法など理解しておくと、実生活でも有用です。
労基法の考え方や解釈の仕方まで理解できていないと対応は難しいと思います。
③労災(難易度:★★★☆☆)
業務上の災害や通勤災害への保険給付に関する科目です。
調剤薬局でも"労災"は取り扱いますが、制度まで詳しく理解する必要はありませんでした。
労災の保険制度をしっかり理解できれば、それほど難しくはないと思います。
どういった場合が労災として認定されるか等は勉強していてなかなか面白かったです。
「業務上の負傷・疾病=労災」、「業務外の負傷・疾病=健保」ということで、⑥健保と内容が似通っており混同しやすいです。
そのあたりをしっかり整理しておく必要があります。
⑦厚年(難易度:★★★☆☆)
会社員などの被雇用者が加入する厚生年金に関する科目です。
いわゆる年金の2階建て部分がこの科目です。
老齢・障害・死亡に関して支給される年金など、⑧国年と似通った内容が多いですが、"標準報酬"といった⑦健保と共通の概念も出てきます。
加入条件や支給要件などしっかり整理して覚える必要があります。
⑧国年(難易度:★★★★☆)
原則20歳以上で全ての方が加入する国民年金に関する科目です。
いわゆる年金の1階建て部分です。
老齢・障害・死亡に関して支給される年金など、加入条件や支給要件などが出題されます。
年金額に反映される"マクロ経済スライド"という考え方もよく出題されます。
また、改正を重ねてきている分、例外規定も多く、その辺りの理解も深めておく必要があります。
一般的なテキスト等では、⑦厚年よりも先に学習することが多いですが、実際の試験での出題順は⑦厚年よりも後で、試験を順番に解いていくと一番最後に取り組むことになります。
頭が疲弊している状態で解答しなければならない上、⑦厚年と内容が似通っていることもあり、苦戦は必死です。
⑩社一(難易度:★★★★☆)
⑩社一も同じように対策が難しい科目ですが、まだ⑨労一に比べると法律関係がよく出題されるのでまだ対応はしやすい印象です。
次回に続く
今回は、受験資格、試験範囲・科目についてご紹介していきました。
科目ごとの難易度ですが、やはり⑨労一が一番難しいのかなと思います。
過去には正答率が低すぎて、1問正解すればOKなんてこともありました。
他の科目の理解度を一定水準に保った上で、色々情報収集もしなければならないのが辛かった記憶があります。
毎年「どこそこの予備校の模試で出てた」なんて話も耳にしますが、全ての予備校の模試に目を通す時間はないので、自分なりに対策するしかないと思います。
筆者である私は、案外⑨労一・⑩社一は点が取れていたりします。
また別の機会に、どうやって勉強したのか、どうやって解いたのかなど、当時を振り返りながらご紹介できればと思っています。
さて、社労士の試験制度については、まだまだご紹介したい内容があります。
社労士試験恒例?の救済制度や配点など、続きは次回とさせていただきたいと思います。
それでは、かなり長文になってしまいましたが、最後までお付き合いいただきありがとうございます。
受験生の方は、そろそろ追い込みですね。
体調に気を付けて頑張ってください。
また次回も宜しくお願いいたします。
☆ランキング参加しています☆