子供に湿布って??

 
少しご無沙汰していましたが、久々のアップとなります。
 
今回は、仕事で問合せを受けた内容について少しまとめてみました。
宜しければお付き合いください。
 
以前、温感湿布について記事をアップしていましたが、今回は子供に使える消炎・鎮痛の外用薬についてです。
 

子供に湿布は使えるのか?

 
医療用で子供に使える外用薬は?と質問を受けました。
 
消炎・鎮痛の外用薬といえは、”ケトプロフェン”や”ロキソプロフェン”などを含む製剤がメジャーですが、これらに小児適応はありません。
 
そこで、添付文書等の情報を調べてみたところ、使えそうなものがいくつかピックアップできました。
※各社最新の添付文書情報を基に整理。
 
小児等に使える外用消炎・鎮痛薬(医療用) 

▶MS冷シップ「タカミツ」(日本ジェネ/三和化学)

▶MS冷シップ「タイホウ」(テイカ大鵬/三笠)

ラクール冷シップ(ラクール

 有効成分
 ・サリチル酸メチル
 ・dl-カンフル
 ・l-メントール
 
 添付文書中に<乳幼児には刺激が強すぎることがあるので、慎重に使用すること>と記載あり

▶MS温シップ「タカミツ」(日本ジェネ/三和化学)

▶MS温シップ「タイホウ」(テイカ大鵬/三笠)

ラクール温シップ(ラクール

 有効成分
 ・サリチル酸メチル
 ・dl-カンフル
 ・トウガラシエキス
 
⇨添付文書中に<乳幼児には刺激が強すぎることがあるので、慎重に使用すること>と記載あり

▶スチックゼノールA(三笠)

 有効成分
 ・日局サリチル酸メチル
 ・日局l-メントール
 ・日局dl-カンフル
 ・日局グリチルレチン酸
 
⇨添付文書中に<乳幼児には刺激が強すぎることがある>と記載あり
 
小児等に使えない外用消炎・鎮痛薬(医療用)
有効成分:インドメタシンエスフルルビプロフェン、ケトプロフェン、ピロキシカムフェルビナク、フルルビプロフェン、ロキソニンなどを含むもの。
 
添付文書中には、
  • 小児等に対する安全性は確立していない(使用経験が少ない)。
  • 小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
  • 低出生体重児、新生児、乳児、幼児又は小児に対する安全性は確立していない(使用経験が少ない)。
などと記載あり。
 
こうして整理してみると、「サリチル酸メチル」を含む外用薬は小児等にも使えるということが分かりました。
 

市販薬は?

 
ところで、市販薬はどうでしょうか??
 
有効成分として「サリチル酸メチル」を含むものがないか少し調べてみました。
 
代表的な商品としては、久光製薬の"サロンパス"があります。
 
やはり湿布薬といえば、久光製薬ですね😁
 
サロンパスシリーズには色々なラインナップがありますが、サロンパスEXのみ有効成分として「インドメタシン」も含んでいますので、<11歳未満の小児には使用しないでください>との注意書きがあります。
 
それ以外は、<保護者の指導監督のもとに使用させてください>との注意書きのみですので、小児でも問題なく使用できると思います。
※肌の弱い方や、有効成分にアレルギーのある方はご注意ください。
 
医療用にはないローションタイプがあるのも魅力的です。

 

肌にやさしいタイプです。

 

医療用にはないローションタイプ。

 

サリチル酸に思う

 
今回は、小児にも使える外用の消炎・鎮痛薬というお題でしたが、サリチル酸メチル」という成分がキーポイントでした。
 
湿布薬などの外用薬にはサリチル酸メチル」もしくはサリチル酸グリコール」といった形で利用されていますが、錠剤などの内服薬には「アセチルサリチル酸アスピリン)」という形で解熱・鎮痛目的で利用されています。
 
サリチル酸というと、学生時代に学んだことを思い出します。
 
セイヨウシロヤナギといった植物に配糖体(サリチル酸水酸基に糖が結合した”サリシン”という化合物)という形で含まれており、古来から消炎・鎮痛目的で利用されてきました。
 
医薬品も日進月歩、色々な新薬が出てきますが、古来からあるものが今でも現役で通用していることを考えると、大変感慨深いものですね。
 
私ももういい歳ですが、若い方にはまだまだ負けずに頑張りたいものです。

 

 

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