いつから○○歳⁇

今年は1月9日が成人の日でした。


例年この時期は「成人式」に関するニュースが色々飛び出してきますが、改正民法によって成人の年齢が引き下げられてから初めて迎える「成人の日」となりました。
 
18歳以上の方を「成人式」の対象とされる自治体もいくつかあったようですね。
※新成人の2倍以上生きているのはナイショだ😅
 

いつから成人?

 

いつから成人になるのかについては民法に規定がありますが、令和4年4月1日に施行された改正民法では、どういう取り扱いになっているのか少し見ていきたいと思います。

民法(明治二十九年法律第八十九号) 

(成年) 
第四条 年齢十八歳をもって、成年とする。
 
(婚姻適齢) 
第七百三十一条 婚姻は、十八歳にならなければ、することができない。
 
成人に関する部分のみ抜粋しました。
令和4年4月1日より、満18歳をもって成人になることとされ、また男女とも婚姻できる年齢も満18歳からとなりました。
世界的なスタンダードに合わせた改正ということです。
 

〇〇歳っていつから?

 

ところで、〇〇歳っていつから?と疑問に感じたことはありませんか❓
 
話は変わりますが、年金の勉強をしていた際、次のような記述が出てきました。

国民年金の新法(昭和61年4月1日施行)での年金の支給対象をまとめたものですが、年齢が支給条件となる老齢基礎年金等については、4月2日以降という記述が見えます。
 
なぜ4月1日以降ではなく、4月2日以降なのでしょうか⁇
 
これにはカラクリがあって、法律で年齢の計算方法を定めているからです。
 
それでは、関係する法律を見ていきたいと思います。

民法(明治二十九年法律第八十九号) 

(暦による期間の計算)
第百四十三条 週、月又は年によって期間を定めたときは、その期間は、暦に従って計算する。
2 週、月又は年の初めから期間を起算しないときは、その期間は、最後の週、月又は年においてその起算日に応当する日の前日に満了する。ただし、月又は年によって期間を定めた場合において、最後の月に応当する日がないときは、その月の末日に満了する。

明治三十五年法律第五十号(年齢計算ニ関スル法律

  年齢ハ出生ノ日ヨリ之ヲ起算ス
  民法第百四十三条ノ規定ハ年齢ノ計算ニ之ヲ準用ス
③ 明治六年第三十六号布告ハ之ヲ廃止ス
 
関係する箇所にアンダーラインを引いてありますが、「年齢は誕生日から起算誕生日の前日で満了する」ということを規定しています。
 
18歳を例にどういうことか図に整理してみました。


誕生日当日から18歳がスタートすると思われがちですが、法律上は誕生日前日から18歳のカウントがスタートすることになります。
誕生日当日が『18歳の1日目(起算日)になるので、誕生日前日が『18歳0日目になり、ここから18歳の針が動き始めるといったイメージです。
 
なかなかイメージが難しいかもしれませんが、法律上で年齢を扱う際は、誕生日の前日に年齢を1つ加算するよ〜ということです。
※誕生日の前日を『〇〇歳に達した日』ということで取り扱います。
 
私も何となく4月1日は早生まれという認識はあったのでそういうもんなんだな〜と片付けていたのですが、きちんと法的な根拠があったんですね。
 

成年になったら・・・

 

ここからは余談になりますが、政府が成年年齢引き下げに関する広報を出していますので少し内容を見てみました。
 
政府広報オンライン」より引用
18歳から“大人”に!
成年年齢引下げで変わること、変わらないこと。
https://www.gov-online.go.jp/useful/article/201808/2.html


18歳になったらできること、20歳にならないとできないことが例示されていますが、18歳になったらできることの中に気になる記述がありますね。
 
国家資格を取ると大々的に書いてある✏️ではありませんか⁉️
 
どういうことなのか、資格を規定した法律を見ていきたいと思います。
 
例の如く薬剤師社労士では、次のような記述が確認できます。

薬剤師法(昭和三十五年法律第百四十六号)

(絶対的欠格事由)
第四条 未成年者には、免許を与えない。

社会保険労務士法(昭和四十三年法律第八十九号)

(欠格事由)
第五条 次の各号のいずれかに該当する者は、第三条の規定にかかわらず、社会保険労務士となる資格を有しない。
一 未成年者
(二 以降省略)
 
いずれにも「未成年者」には免許・資格を与えないと規定がありますが、「成年」になるとこの規定が外れるということになります。
 
ということは18歳を迎えれば、国家資格を取り放題なのかといえばそうではありません。
 
国家資格を取得するための国家試験『に受験資格』という別の罠が存在しており、そうは問屋が卸さないという訳です。
 
薬剤師なら6年制の薬学部を卒業しないと国家試験を受験できないですし、社労士も原則4年制の大卒以上の学歴がないと国家試験を受験できません(>_<)
 
こんな思わせぶりな書き方するなよなぁと思ったのは私だけではないはず😅
 

最後に

 

ということで、今回は年齢についてみていきました。
 
『〇〇歳に達した日(誕生日の前日)』というのは結構色々な所で出てきて、年金以外にも例えば介護保険なんかも40歳の誕生日前日から被保険者となります。
1日生まれの方は誕生月の前月から保険料が発生してしまうのでなんだか1日損した気分になっちゃいますよね。
 
また、国民年金といえば20歳から強制加入となりますが、今回の成年年齢の引き下げに関わらず20歳のままです。
厚生年金の方は年齢が加入条件にはなっていませんが、短時間労働者などへ加入枠の拡大を進めています。
 
年金の財源が問題視されていますから、財源確保のためいずれ国民年金も18歳から強制加入にされるんじゃないかなと思う今日この頃でした。
 
少し長くなりましたが、お付き合い頂きありがとうございます。
また別の機会に年金も記事にしてみようと思いますので、よろしくお願いします(^O^)/
 

☆ランキング参加しています☆

にほんブログ村 資格ブログへ

にほんブログ村 士業ブログ 社会保険労務士(社労士)へ

PVアクセスランキング にほんブログ村